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「私はこの一週間の休みを利用してウォッジェ島という離島旅行に行ってきたよ。大きな島で、観光じゃ見れないような静かな海があって羨ましいかぎりの場所だよ。この島へはずっと行きたかったからやっといけてよかった。
戦争中の日本軍の残骸もいっぱいあるところで毎年慰霊団がきているのだよ。
日本のお墓もあった。
この島は去年まで電気のなかったところなんだけど、島には日本のでっかい電力所が壊れた後があって廃墟になっていた。どれもこれも日本の建物は鉄筋コンクリートの頑丈なもので 60年後の今だってマーシャルではほとんどないものだよ。
60年前に、電気があったところにやっと去年また電気がきたというのは不思議なことだよ。」
by K
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いまごんの 7つ離れた妹から、先日届いたメールに書かれていた一文です。
彼女は現在マーシャル諸島の 1つ、キリ島で小学校の先生をしている青年海外協力隊員です。そこは電話がなく連絡手段は手紙のみ。たまの休みに別の島の首都マジュロへ出て、そこのインターネットカフェからメールを書いたり実家には電話したりしてくれます。
上にあるように、日本軍のいた跡があったり、かの水爆実験の場にされるなど、戦争の痛手の多くを受けてきた国。
昔は電気が通っていたのに、その後途切れ、また電気が通った。その間 60年の歳月がかかるというのはどういうことなんだろう。
かの国の人々にとって、電気とは、戦争と一緒にやってきた侵略者ではなかったろうか。電気なぞなくても生活に困らない、ましてや戦争を持ってきた日本人(?) と共に来て、ヒトを殺すため、武器を作るために作られていく電気。それは自分達の生活を便利にするものではなかったのではないだろうか。
K からのの手紙を読んでいて、廃墟となったコンクリートの遺跡、変わらぬ色を持つ水平線に夕日が沈む光景、人々に忘れられたか忘れられないかの 60年の想いが包む赤い光景が浮かんできます。
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